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zoom RSS 三菱の長期繁栄が映す日本経済の弱み!

<<   作成日時 : 2016/04/23 22:12   >>

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日本一高いビルを建設し、初の国産ジェット旅客機を生産し、さらにはステルス潜水艦を380億ドル(約4兆1000万円)でオーストラリアに売り込もうとしている。それが三菱グループです。

 三菱グループの傘下企業が手掛ける巨大プロジェクトが国の威信を取り戻してくれることを安倍晋三首相は期待しています。150年近くの歴史を持つ同グループの隆盛は、日本の巨大企業グループの安定性だけでなく、戦争や金融危機、技術変革を乗り越える能力を際立たせているのです。

 同時に、資本と人材が単一の企業グループに集中しているという状況は、安倍政権が直面する困難な課題を浮き彫りにしています。つまり日本経済を再び成長軌道に乗せるためのダイナミックで革新的な企業を創り出すという課題です。インターネット時代に突入して20年がたちますが、日本はITやヘルスケアの分野において高収入の仕事が創出されず、新たな勝ち組企業を作り出せずにもがいています。

 経済協力開発機構(OECD)が昨年行った調査によると、日本の上位300社のうち1960年代以降に創設されたのは3割以下にとどまりました。米国では8割近くあるのです。安倍氏はこの問題を認識しており、昨年、米スタンフォード大学を訪問した際にシリコンバレーの活力を日本に持ち込みたいと述べ、適合できない企業は市場から退出するべきだと付け加えました。

 変化が遅いことの一因は労働市場にあります。日本では大学新卒者の多くが終身雇用制度のある企業に入社し、その職を手放したがりません。また長引く景気低迷がリスクの高いベンチャーに逆風となっているため、日本経済の問題が固定されがちになっているのです。このため日本銀行は最近、融資を積極化させるためマイナス金利の導入に踏み切ったというわけです。

 米国の起業家で、日本政府にテクノロジー政策を助言する齋藤ウィリアム浩幸氏は「それは必ずしも三菱のせいではないが、三菱が酸素を吸い出しているようなものだ」と話しています。

 三菱グループの事業は銀行から醸造まで多岐にわたりますが、その中核企業20数社の年間売上高は合計5000億ドルほどになります。これは日本最大の売上高を誇るトヨタ自動車のほぼ2倍です。

 三菱グループ企業は制度的には独立しており、持ち株会社はひとつもありません。ただ、グループ企業は株式の持ち合いや伝統的な関係で緩やかなつながりを持っています。三菱の名前とロゴの使用を管理しているのは、グループ企業の代表者で構成される委員会です。

 三菱のグループ構造と財務力のおかげで、不振のグループ企業でも確実に生き残れるようになっており、重大な決断が先延ばしされることもあります。三菱自動車が一連のリコール隠しで財務危機に陥った2004年には、複数のグループ企業が40億ドルの救済策に乗り出しました。これは、中小メーカーがひしめき合う日本の自動車業界の構図が維持される一因にもなりました。

 一般的に言えば、日本の大企業が新興企業にはじき出される心配はほとんどないのです。帝国データバンクによると、2015年に倒産した上場企業は3社にとどまり、全体の0.1%に満たなかったといいます。米国では毎年数十社が倒産しています。倒産自体は良いことではありませんが、それが日本で極度に少ないことは、大手企業を追い越す新たな技術を持った新興企業がほとんど出ていないことを示唆するものです。

 カリフォルニア大学サンディエゴ校で日本型経営論を研究しているウリケ・シェーデ教授は、そのような実態が、日本が動きの速い経済についていくのを難しくしていると指摘しています。「現代を戦い抜くために必要なのは保険でなく、イノベーションと収益力だ」です。

 専門家や三菱の従業員らによると、グループが繁栄できる理由のひとつは「お上の意向をくむ」ことにたけているからです。安倍政権下では、それは工業製品の輸出を押し上げられる産業に焦点を当てることを意味します。三菱グループの広報担当者はコメントを控えました。

 最近の例を挙げると、独仏勢と競り合っているオーストラリア海軍向けの潜水艦建造で、日本の官民連合を率いているのが三菱重工業です。この取引が実現すれば、戦後に定められた武器輸出規制を安倍氏が緩和して以降で初めての大型案件になります。

 三菱重工の宮永俊一社長はインタビューで、日本が受注を勝ち取れれば、他の三菱グループ会社や提携先からのオーストラリア投資にパイプを築くことができると指摘。「当社が非常に効率的な仲介役になれる」と述べました。

 三菱重工は日本初の国産ジェット旅客機「MRJ」を生産するメーカーの筆頭株主です。MRJは70〜90席クラスの旅客機。再三延期されていますが、向こう数年内に米国や日本などの航空会社に納入される見通しです。

 昨年秋にMRJが初飛行に成功したのを受け、菅義偉官房長官は「日本の航空機産業の新たな時代の幕開け」と話し、MRJを全世界に売り込む三菱の努力を政府が支援することを約束しました。

 三菱地所は1989年にニューヨークのロックフェラーセンターを買収しましたが、売却する時には損失を被りました。同社は2020年の東京五輪開催までに、高さ390メートルの日本一の超高層ビルを建設する計画です。

 第2次世界大戦前、三菱は巨大財閥のひとつだったのです。戦後の占領下で、占領軍最高司令官のダグラス・マッカーサー元帥は三菱財閥を解体しました。占領終結後には緩やかなつながりを持つ企業グループが再び結成されました。グループ企業は5%以下の株式を相互に持ち合うことが多いのです。

 三菱グループ企業の最高経営責任者(CEO)らは、毎月非公開で開かれる「金曜会」に出席するため丸の内に集結します。三菱地所は丸の内に40以上の不動産物件を保有しています。金曜会メンバーによると、会議では弁当やカレーといった簡単な昼食を取ることが多く、話題は具体的な事業話ではなく雑談が中心になるといいます。

 シェーデ氏は「問題の核心に入る必要はない。最も優先されるのは『額に冷や汗をかいている人がいないか確認する』ことだ」と述べました。

 それより下のランクでも三菱の従業員の団結を促す組織があります。グループ企業の社員が三菱を去らずに生涯のパートナーを見つけ出す手助けをする結婚紹介センターもその一つです。従業員の結婚式にはグループ企業のキリンホールディングスからビールが差し入れられるのがしきたりとなっています。

 三菱重工の宮永氏はグループ企業同士のつながりが誇張される場合があると指摘。発電機器では日立と提携するなど、三菱重工はグループ外の企業とも重要な取引関係を持っていると述べました。

 宮永氏は、グループ企業は「ビジネス上の倫理みたいなものを共有しています。もちろん、協力、協業する非常によい機会があれば、こうした倫理やブランドを共有するため提携関係は少しだけ強くなる」と述べました。(ソースWSJ)

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