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zoom RSS 原油安が景気浮揚に寄与していない理由!

<<   作成日時 : 2016/04/02 22:07   >>

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今までの原油安による経済成長支援効果がこれほど小さいのはなぜなのでしょうか。これは経済に関わる大きな謎の一つです。原油と株式は現在、強い正の相関があります。本来ならこの逆、つまり負の相関が成立しなければおかしいのです。原油安は米国のような原油輸入国にとって減税と同じ効果を持つからです。

 国際通貨基金(IMF)の3人のエコノミストは興味深い理論を提示しています。原油が値下がりすると実際のインフレ率と期待インフレ率が低下し、ひいてはそれが通常は金利低下につながる、という理論です。ところが、大半の経済大国では金利はすでにゼロかゼロ近辺で、もう下げ余地はありません。期待インフレ率が低下する一方で名目金利が下がらなければ、名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利は上昇し、「生産高や雇用の伸びが完全に抑えられてしまう可能性が極めて高い」というわけです。

 これと同じ理由から、中銀はデフレを懸念していれば、原油価格の上昇に利上げで対応することはしないでしょう。つまり、ひねった見方をすれば、原油高は「実質金利を抑えることで景気拡大効果をもたらし得る」ということです。

 昨年の市場動向はこの理論を裏付けています。原油価格が急落する中、債券の名目利回りが低水準にとどまる一方で実質利回りは上昇し、両利回りの差に相当する期待インフレ率は低下しました。今年は原油価格が持ち直し、実質利回りはやや低下しています。

 理論的には、原油価格が一度動いたからといってインフレ率に長期的な変化が起きることはないはずです。だが各種調査や物価連動債相場は、遠い先の期待インフレ率と原油価格の動きが強い相関関係にあることを示しています。これは市場のダイナミクス(力学)を反映しているのかもしれません。一方、中銀はコモディティー(国際商品)価格の下落によるディスインフレ効果を相殺できないのではないかという見方を織り込んでいる可能性もあります。日本銀行を特に悩ませてきたのがこの原油安のディスインフレ効果です。日銀は実際のインフレ率と期待インフレを押し上げるために積極的な量的緩和を進めてきましたが、エネルギー価格の下落が物価目標達成の障害となっているのです。

 原油安でも景気が上向かない背景は他にもあります。原油安が株価や経済成長を押し下げてきた理由の一つは、米国の原油生産量が以前よりもはるかに多いことです。米国は依然として原油輸入国ですが、シェールオイルの増産が著しく、原油価格が数年にわたり持続的に1バレル=100ドルを上回っていたため、シェールオイル企業によるジャンク債(投資不適格債)の発行が相次ぎ、産油量は急増しました。しかし原油価格の急落でこれらの企業は投資を大幅に削減し、デフォルト(債務不履行)が広がる可能性が高まりました。こうした経緯を踏まえると、原油とジャンク債の相場が強い相関関係にあることは説明が付くでしょう。企業による先物取引を用いた価格ヘッジの影響で、両者の相関はさらに強まった公算が大きいのです。

 さらに、ガソリン価格の下落が個人消費にプラスの影響を与えていることを示す証拠があります。ただ、設備投資の落ち込みを相殺するほど大きなものではありません。このところ債券の名目利回りが上向かない一方で実質利回りが低下しているという事実からは、債券市場がインフレ加速と成長低迷を見込んでいることがうかがえます。

 とはいえ、IMFのエコノミストらは原油価格が下落してもプラスの影響が全くないと主張しているわけではありません。金利がゼロ近辺にある場合、別の効果が発生すると言っているだけです。一般的には原油安には個人消費を押し上げる効果が期待できますが、現在はこのプラス作用が実質金利による景気押し下げ効果によって一部相殺されています。実質金利の影響がプラス効果を完全に消してしまうほど大きいかどうかははっきりしません。しかしこうした相殺効果の発生が、原油安でも従来のように景気回復が進まない理由と考えられます。

 IMFのエコノミストらは次のように結論付けています。原油価格の低迷により、企業や政府のデフォルトに加えて「インフレ期待のさらなる迷走」が進み、「ただでさえ神経質になっている金融市場を不安定にする恐れがある。そのような悪循環が起きる可能性を考えると、需要の後押しがなおさら喫緊に必要と言える」と。(ソースWSJ)

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